ジャンプラ2025年5月度新連載のひとつ、「時間の神様」の忖度なし感想・レビューです!
ネタバレありですので未読の方はお気をつけください。
時間の神様について
作者 | 中西 鼎 先生(原作) 風呂川 ツカサ 先生(作画) |
ジャンル | サスペンス・ロマンス |
掲載日 | 木曜 |
原作の中西鼎先生は「少女Null」に続いての原作連載となります。
ちなみに「少女Null」の作画担当であったあきま先生は一足先に「人喰いマンションと大家のメゾン」作画で連載をスタートしていますね。
作画の風呂川ツカサ先生はジャンププラス初登場のようです。
あらすじ
今がどうか、永遠に。
ある朝、世界は全て”停止”した――…。
「時間を止める時計」を拾った少女・ユキの手により命を救われた少年・ヒロキ。
時計をきっかけに接近した二人は、忘れられない夏を迎える…!
全てが停止した世界で起こる、前代未聞のサスペンス・ロマンス!!
ジャンププラス作品ページより引用
個人的 5段階評価
では発表させていただきます…
ドゥルルルルルルルルル……デデン!!!!!
★★★★☆
高評価、星4つでございます
よかった点
次回が気になる完璧なヒキ
もしも自由に時間を止められたら…
現実的にはありえない能力ですけど、誰でも一度は妄想したことがあるポピュラーな能力、それが時間停止。AVでも人気のジャンルですね
そんな時間停止を使って人生を変えていく物語かと思いきや、逆の意味で人生が変わってしまいました。
中盤までものすごくいい雰囲気で、ヒロキとユキがいい感じに距離を縮めていくなぁ…
とほんわかしていたところに、上げて落とされた感じです。
ずーっと、ものすごく個人的でスケールの小さな時間停止が続いていただけに、彼らが時間停止に対して特に深く考えていないことがわかります。
深く考えていないからこそ、なんの覚悟も持たない2人が、突然に取り返しのつかないことをしてしまった。その焦りっぷりがリアルで感情移入できました。
次回から2人が犯した罪に対してどう向き合っていくのか、めちゃくちゃ気になります。
いや、いいヒキでした。
個性的だがキャラクターの感情が伝わりやすい絵柄
もしかしたら人を選ぶ絵かもしれませんね。特にキャラクターについては。
僕的には変に小綺麗な絵よりはずっと好きですね。個性的で。
特にヒロインの笹森ユキちゃんは喜怒哀楽の感情表現が豊富で、表情もおおげさに変わります。
笑顔はとてもかわいらしく、ラストにレオトを突き落としてしまったことでパニック状態に陥っている表情もよく描けておりました。
よりキャラクターに感情移入できる絵だなと思いました。
総評
クセのある絵柄といい、絶望に向けてひた走る展開といい、いわゆるSF(すこしふしぎ)な世界観といい、「タコピーの原罪」をどこか思い出させる作品でした。
タコピーのように、絶望はより加速していくのか。
非常に楽しみな連載が始まったと思います!
追記:第2話を読んで
ちょっと気になるんだけど、この世界の大人って基本パワハラ気質だな。
第1話では担任の教師がイカツいわ机叩くは怒鳴りちらすわだったけど、今週登場した警察官・黒田もかなり嫌なやつです。
急にデカい声出して、机叩いて、子どもたちを委縮させる大人…
フィクションといえどあんまり見ていて気持ちのいいもんじゃないですね。
(まぁ黒田は生徒たちを疑っているわけなので、高圧的な態度も駆け引きのためかもしれませんが)
警察の捜査(遺体の傷のつきかたで自殺・他殺・事故がわかる)については、わりと説得力あって有能っぽかったのはGoodです。
そこがブレちゃうと一気に物語がチープになっちゃうもんね。
コメント欄だと警察有能派とトンデモ理論派に分かれてますけど、僕的にはこういうのはある程度の誇張・現実的でない描写は全然アリだと思いますよ。
大事なのは説得力ですから。それっぽいと読者に思わせられれば、厳密に言ってそれが真実かどうかはどうでもいいかな。
まぁそんなわけで、なんと第2話にしてバッチリ警察にマークされるというスピード感。
そしてユキちゃんは廃人一歩手前の義父と2人暮らしという。
ますます「タコピーの原罪」のように、夢も希望もない展開へと進んでいっていますね。
第2話もちゃんと面白かったです!
コメント