集英社のマンガ配信アプリ「ジャンププラス」にて連載中のホラーマンガ「こわいやさん」。
独特な絵柄と不気味な怖さ、そしてところどころに小ネタが仕込んである作風で、じわじわとファンが増えているようです。
基本的には毎回ひとつの怪談が語られる、1話完結のスタイル。
と思いきや第3話からは、過去に登場した怪談の続きが描かれたり、別々の怪談がつながりを見せたりといった変化が出てきます。
これによって物語に深みが増し、考察のしがいがあるマンガへと変わってきました。
そんな「こわいやさん」について、徹底的に解説・考察していきます。
このまとめを読んだあとは、「こわいやさん」を3倍楽しめるようになっていることでしょう。
なお、作品のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
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こわいやさん 基本情報
作者 | カメントツ 先生 |
ジャンル | オカルト/ホラー |
掲載日 | 毎週水曜 |
連載開始日 | 2025年3月26日 |
こわいやさん あらすじ
かわいらしい動物たちが暮らしている「どうぶつ村」。
ここでは動物たちがさまざまなお店を開いています。
そんなどうぶつ村に引っ越してきた「かえるくん」が村を散歩していると、「こわい」を売っている「こわいやさん」の店主(うさぎさん)に声をかけられます。
案内されるがままに、店に入るかえるくん。
店主が取り出してきたものは、正面にグロテスクな顔がデザインされた「こわい箱」。
「こわい箱」を開くと、「こわいはなし」が始まった・・・
このように、毎回かえるくんの元にうさぎさんが「こわい箱」を持ってきて、「こわいはなし」が始まる…
というのがこわいやさんの基本パターンとなっています。
冒頭でも説明したように、基本的に「こわいはなし」は1話で完結するスタイルなのですが、たまに以前の「こわいはなし」の続きが始まることもあります。
これまでに登場した「こわいはなし」解説
ここからは、作中に登場した「こわいはなし」を解説します。
第1話(前編) 金属球の怪
園芸部をしている女子高生・遠藤さんが語り部であり、彼女の体験談。
カラスがやけに騒がしいので校舎裏の茂みに行ってみると、全身ショッキングピンク、顔から手足が生えている謎の生物と遭遇。
その生物は遠藤に謎の金属球を渡すと、口から泡を吐いて死んでしまった。
遠藤さんはかわいそうに思い、その生物の墓を作ってあげたのだが――
――そんな体験談を語る遠藤さんの表情は、不気味に笑っていた。
第1話(後編) タクシー怪談
語り部は幽霊や妖怪の民俗伝承について研究する学者・米倉さん(女性)。
彼女はタクシー怪談を研究テーマとしていた。
彼女が調査していたのは、タクシーに乗せた客が、運転手がふと振り向くと消えていて、シートは濡れているという怪奇現象が頻発。
タクシー後部座席の水分を採取し、調査したところ、その成分は羊水に限りなく近いものと判明。
それも、20代後半から30代のアジア人女性で、双子を妊娠中というところまでわかった。
液体の成分を調査したのは、研究員・坂上(男性)。
液体にはもうひとつ不思議な現象が起きていて、ビンに密閉していても少しずつ減っていくという。
その答えは、坂上が飲んでいた。
自覚症状はない模様――。
第2話 呪いの人形(偽)
語り部は詐欺師の与田(女性)。
インチキな呪いの人形を作って、ネットでその手のマニアに高額で売っている。
しかしある日、客から送られてきたLINE。
そこには、本当に髪の毛が伸びた人形が写っていた――。
「私は何を作ったんだろうな」と自問する与田。
実は彼女は足が不自由で、車いす生活だったことがわかる。
ただし呪いの人形との関連性は不明。
第3話 ビデオテープ
第1話後編に登場した、坂上研究員の自撮りビデオの模様。
映像には、問題の羊水を飲む坂上の姿がしっかり映っていた。
しかし、他にも2つ、奇妙な事象が映っていた。
①ときおり謎の黒い黒い人影が映っていて、少しずつ坂上に近づいている
②デバイス(タブレット端末)が坂上の手を通過している(まるで指がタブレットを貫通しているように見える)
②の事象について追及する坂上であったが――
――その2日後、坂上は1フロア下の天井に半分埋まった状態で発見された。
意識不明の重体。
米倉さんは、羊水を飲んでしまったことによる影響ではないかと疑う。
第4話 心霊写真
語り部は地方テレビ局のアナウンサーの男。
ある日唐突に、空に大きな大きな男の顔が浮かんでいた。
首は長く、そして目玉が飛び出ている。
男は調査を進め、人工衛星から撮った写真を取り寄せたところで、ひとつの答えに行きつく。
「人工衛星は地球を写す…大きなカメラだったんだ」
「宇宙から写真を撮っている あれは…巨大な…心霊写真だったんだ」
その答えに行きついた時、すでに男は正常な精神状態ではなかった。
「霊がいるから映るんじゃない カメラを向けるから映るんだ」
「見るから「いる」撮るから「映る」んだ」と言って、男は――
――男は、自分の両目を自らの手で引き抜いた。
第5話 ぬめぬめさんとウメコさん
語り部は男子高校生。
彼の通う高校には、2つの怪談がある。
ひとつは「ぬめぬめさん」という怪物。
雨の日に、学校のビオトープから出てきて、踊りながら夜の学校を徘徊するらしい。
ある日、語り部の彼は、謎のうめき声を聞く。
その声の元へ走っていくと――
――「ぬめぬめさん」が、粉々に砕かれ、殺されていた。
殺したのはもうひとつの怪談、「梅子さん」。
彼女は手にしたスコップで、「ぬめぬめさん」を埋めていた。
ありえないほど歪んだ笑顔で――
男子高校生は語る。
もしかしたら「梅子さん」は、怪談を埋めて無くする「埋め子さん」なのではないか、と。
そんな「埋め子さん」は、そう、第1話(前編)の語り部・遠藤さんと姿かたちが酷似していた。
第6話 エジソンボール
語り部は再登場の詐欺師、与田。
エジソンボールという、あらゆる病気を治す魔法のボールの話。
もちろんこれは真っ赤なウソ。いつものインチキ商品である。
与田は適当なところでこの詐欺商法から撤退したが、エジソンボールを求める信者は後を絶たない。
信者たちはエジソンボールを自分たちで作り始める。
与田がボールの中に入れたものはもちろん、何の価値もない適当な石灰。
だが、エジソンボールを心の底から信じている信者たちは、ボールに何を入れたのか――
――ボールからはかすかに、赤ん坊のような声が漏れていた――
第7話 サブタイトルなし
第1話後編、第3話で登場した米倉さんと、第1話前編、第5話で登場した遠藤さん=埋め子さんの邂逅。
米倉さんは引き続きタクシー怪談の調査をしていた。
タクシー運転手の話から、雨も降っていないのになぜか濡れている、通称濡れ屋敷、またはビショビショハウスと呼ばれる物件にたどり着く。
中に足を踏み入れてみると、第1話前編に登場したショッキングピンクの化物と、キューピー人形のような小さな化物が4体いた。
化物たちは奥へと姿を消す。
追いかける米倉さんだったが、一面に五芒星のラクガキが書かれた廊下にて「これ以上進めない 進んではいけない気がする…」と撤退を決断。
そしてそんな米倉さんの姿を、遠藤さん=埋め子さんは目撃していた。
第8話 山の神殺しについて
語り部は登山ガイドの女性、阿久津 歩。
仕事柄か、英語、韓国語、クメール語、クリンゴン語がペラペラです。
※ちなみにクリンゴン語はSF作品「スタートレック」に登場する架空の言語です。
神隠しが問題となっている山。
これ以上の被害を出さないため、阿久津が取った行動とは…
彼女は政治家となり、山を開発し始めた。
町おこしをし、人工のもので山の周辺を埋め尽くす。
そうすることで山の神にとって住みにくい環境となった結果、神隠しは収まったのであった。
第9話 壊れた分身幻影(ドッペルゲンガー)
語り部は野間と名乗る、鈍臭い自分にコンプレックスを抱える女性。
怪談は彼女の体験談で、鏡に向かって「お前は誰だ お前は誰だ」と何度も言い続ける。
そうすると意志が強くなったり、仕事ができるようになる…
というインチキ動画を信じて毎日実践する彼女。
(ちなみにインチキ動画の語り部が、あの詐欺師・与田です)
するとある日、彼女にそっくりな人が現れるようになった。
それはまるで古いゲームのポリゴンのようにカクカクで、日常のさまざまなタイミングで現れる。
そんな体験談を語っている今まさにその時にも出現し、野間さんと聞き手であるスーツの人物は姿を消した…?
主要な登場人物
どうぶつ村
かえるくん
最近どうぶつ村に引っ越してきたばかり。
もっぱら怪談の聞き役。
かえるくんの身の回りでも怪奇現象が次々と起きているが、当の本人(本蛙?)はまったく気づいていない様子…
それなりにどうぶつ村での生活を楽しんでいる模様。
料理が上手。
うさぎさん
「こわいやさん」の店主。
性格は穏やかで腰が低いが、たまに底知れない表情を見せる。
「こわいはなし」を売ることで収入を得ているが、料金は微々たるもの。
と思いきや、大金を支払ってくれる「太客」がいる。
人間たちの世界
米倉さん
民族学者の女性。
研究テーマは”タクシー怪談”。
タクシー怪談を追いかけた末、”ビショビショハウス”に行きつく。
坂上
研究員。
米倉さんがタクシーから回収した謎の液体の成分を解析した。
その後、その液体を飲む姿がビデオに映っていた。
自分自身の不可解極まりない行動を研究しようとしていたが――
怪奇現象に巻き込まれ、意識不明の重体となってしまう。
詐欺師・与田
女性。足が不自由で、車いすを使っている。
様々な詐欺行為を行っており、その中で時に不思議な体験をする。
遠藤さん(ウメコさん)
見た目は普通の女子高生だが、その実態は怪談を埋めて回る、”埋め子”さん。
“ビショビショハウス”に出入りしている描写があるが、住んでいるかは不明。
謎のマークについて
「こわいやさん」の作中に幾度となく登場する、謎のマーク。
アイスクリームの上に消しゴムをのせたようなマークです。

どうぶつ村のうさぎさんとネコくんによると、
- この町ではいろんなものにこのマークが出る
- 石ころに彫ってあったり、焼きたてのパンを切ったら出てきたりする
- あるから仕方ない あるものはあるのです
と、何とも要領を得ない答えです。
ここでは、この謎のマークが登場した場面をご紹介します。
登場した回 | 登場した世界 | 状況 |
第1話 前編 | どうぶつ村 | 「金属球の怪」のこわい箱が開けられた際、金属球に印字されていた |
第2話、第3話 | どうぶつ村 | かえるくんの隣に住むネコくんからの差し入れ リンゴに彫られていた |
第4話 | どうぶつ村 | ネコくんのところでリンゴ収穫 ここで初めてマークに言及される |
第7話 | 人間の世界 | ビショビショハウスにて 一面に五芒星のラクガキが書かれた廊下のなかに、たったひとつだけこのマークがあった |
謎のカウントダウンについて
こわいやさんでは連載初期から、意味深な数字がどこかに隠されています。
そしてその数字はだんだんカウントダウンしていくのです。
ここではそのカウントダウンについて、登場する場面を紹介します。
登場した話 | 登場したページ | 登場シチュエーション | 数値 |
第1話 | 5ページ | こわいやさんの天井 | 58 |
第2話 | 33ページ | 研究室の左側 本棚の上 | 57 |
第2話 | 16ページ | 暗い部屋の右奥 | 56 |
第3話 | 17ページ | 建物の側面 | 55 |
第4話 | 16ページ | アナウンサーの左胸付近 | 54 |
第6話 | 12ページ | 与田の右側 | 53 |
第7話 | 14ページ | 五芒星が大量に書かれた壁の中 | 52 |
第8話 | 12ページ | 阿久津の選挙ポスター QRコードを読み取った先に表示 | 51 |
第9話 | 本編終了後の広告 | ニセ広告の右上 | 50 |
まとめ
以上、ジャンププラスの中でも異様な個性を放っている「こわいやさん」を紹介しました。
ひとつひとつ独立した「こわいはなし」かと思いきや、思わぬところで繋がってくるストーリー。
そして謎のマークやカウントダウンなど、1コマ1コマ細かいところまで目が離せない作品です。
今後も最新話が掲載され次第、こちらのまとめページも更新していきます!
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