鷹見項希過去編完結&物語は再びハロウィンライブへ。
ふつうの軽音部 第69話「君に語りかける」感想、考察です。
※当記事では「ふつうの軽音部」のネタバレを含みます
3曲目:海と山椒魚/米津玄師
2曲目は、文化祭ライブでも披露したEveのドラマツルギー。
それを経て、3曲目には初登場、米津玄師さんの「海と山椒魚」。
鷹見はアコギに持ち替えます。
今やトップアーティストのひとりとなった米津さんですが、こちらの楽曲は2014年リリースの2ndアルバム「YANKEE」収録の一曲ということで、けっこう初期の曲ですね。
そしてこの曲は、第53話にて鷹見が路上弾き語りで歌っていた曲だと明かされます。
(喜田くんが「この曲…」と思わせぶりに言っていたので、兄・竜希のオリジナルソングかなと思っていたのですが。なんやねん喜田ァ!)
歌いながら、再び鷹見項希の回想へ。
項希と竜希、最後の会話
兄を信じる気持ちよりも、周囲の人間の心ない声に負けてしまった項希の心理描写が見事だった前回。
場面はその続きへ。
「ずっと…そんなふうに思っとったんか」の問いに、目を合わせることもできず、自分の身を守るような言葉しか言えない項希が痛ましすぎます。

そして、竜希から竜希への、最後の言葉。

この言葉。
この言葉から、鷹見項希過去編に突入したんですが…
おや?なにか違和感がありますね。
それでは鷹見項希過去編に突入した、第65話を振り返ってみましょう。

セリフこそ同じですが、竜希の表情がまるで別物なことがわかります。
直後に項希のモノローグからもわかるのですが、
それが最後に聞いた兄貴の言葉だった
どんな顔して言っていたのか 俺はもう思い出せない
項希はまともに兄貴の目も見れない状態でしたので、竜希の最後の言葉は声だけしか聞こえなかったということですね。
竜希には弟を責める気持ちはこれっぽっちもなかった。
それどころか、「今まで気つかわせてすまんかったな」と、項希を労わる言葉さえ残しました。

そのシーンも、一目瞭然ですよね。
竜希の足元を映す1コマとなっています。これは項希がうつむいていて、竜希の顔までは見えていなかったことを表しています。
最後まで貫いた弟への想いも空しく、項希にとってはその言葉だけが、心に残ることとなった。
まるで呪縛のように…
うぅ、辛すぎる…
その後の項希は…
兄の最後の言葉「お前は普通に生きてくれ」。
そう、このマンガのタイトル「ふつうの軽音部」にもリンクしてくる重要な単語ですが。
そんな「ふつう」が項希にとっては心に引っ掛かり続けることとなります。
その後の生活においても、「ふつう」に過剰反応してしまう項希。
付き合った彼女が「ふつう」だと思ってしまうと急に冷めてしまったり。
何も知らない彩目が「ふつう」という地雷を踏んでしまったときには、自分の一番嫌いな部分を突きつけられたみたいでびっくりしたと回想しています。
そのシーンはだいぶさかのぼり、 第19話(コミックス第2巻収録 第19話)。

「ふつう」だから。ふつうの人間は心がそんなにタフではないから。
簡単に他人の意見に流されてしまうから。
だから、周りの意見に心が飲まれ、兄貴を信じ切ることができなかった。
そんな経験から、自分自身が「ふつう」であることがたまらなく嫌だ、彩目にはそこを踏み込まれてしまった。というふうに僕は解釈しました。
鷹見からはとっちへの”質問”が明確に
何かと犬猿の仲だったはとっちと鷹見。
もちろん事の発端は、鷹見が「あのメンヘラ」と彩目の陰口を叩いていたところ、はとっちに怒られたあの伝説のシーンなんですけど(コミックス第3巻収録 第22話~23話)
普段の性格こそ違えど、ボーカリスト、ギタリストとしてのはとっちは兄・竜希を彷彿とさせる。
それゆえに鷹見の中でははとっちは無視できない存在になっていった。
そんなはとっちへの質問(ハロウィンライブ勝者の特権)は、兄貴に聞けなかったこと。

つまり、何で音楽をやってるのか?ということ。
それが今回明確になりました。
その質問の答え=はとっちがなんで音楽をやってるか は、これまで段階的に描かれてきましたね?
ちゃんと覚えてますか?
覚えていないひとは↓から振り返ろう!!
サブタイトル「君に語りかける」
今回のサブタイトルである「君に語りかける」は、鷹見からはとっちへの語りかけでした。
前回、このサブタイトルについて僕なりに予想していましたが…
全然サンボマスターじゃねーじゃねーか!
まぁ、鷹見にサンボはないよ。ないない。
はーとぶれいくvsプロトコルの行方は??
当初は音楽キャリアの差から、プロトコルの勝利は間違いないだろうと思っていましたが、そうでもなくなってきたかな?
なにしろ鷹見の”質問”はもう明らかになってしまいましたし。
はとっちの歌、特に4曲目の「閃光少女」は少なくともたまき先輩にはズドン!と刺さりましたからね。
なにしろたまき先輩に、夏帆さんとまたバンドを組む決意をさせた=大げさに言えばたまき先輩の人生を変えたぐらいのインパクトを与えたのですから。
もうたまき先輩の1票は、はーとぶれいくでほぼ確定のように思います。
けど元部長の山添くん、あのひとイマイチ何考えてるかわかんねぇからなぁ笑
軍配はどちらに上がるかまったく読めないですね!
読めないからこそ面白いのですが。
まったくもう、ハロウィンライブ編も最高だぜ!!
(そろそろ鶴がしゃしゃってきそうでイヤですが)
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