ジャンプラ2025年5月度新連載のひとつ、「魔法少女と麻薬戦争」の忖度なし感想・レビューです!
ネタバレありですので未読の方はお気をつけください。
魔法少女と麻薬戦争について
作者 | 野宮 有 先生(原作) メイジメロウ 先生(作画) |
ジャンル | クライムサスペンス |
掲載日 | 火曜 |
あらすじ
甘美な悪夢を根絶せよ。
ただの砂糖が主成分の、謎に満ちた麻薬”キャンディ”が蔓延する東京。
キャンディの製造者に迫るべく、ヤクザに潜入中の麻薬取締官・煤井の危機を救ったのは、自らを”魔法少女”と名乗る星名凛々だったーー
ジャンププラス作品ページより引用
個人的 5段階評価
では発表させていただきます…
ドゥルルルルルルルルル……デデン!!!!!
★★☆☆☆
星2つでございます
よかった点
画力はレベルが高い
冒頭のカラーページを含めて、かなり画力は高いですね。
ただ上手いだけじゃなくて読みやすさも兼ね揃えていると思います。
バイオレンスとファンタジーという両極端なジャンルの本作ですが、そのどちらもしっかり描けているのも地味にすごいですね。
裏社会の描写が割とリアリティあり
単純にヤクザがドラッグで稼いでいるというだけじゃなく、重火器を大量に買いあさってるとか、若手を海外の傭兵会社に派遣して実戦経験を積ませるとか、本当にありそうなリアリティを交えてきたところは高評価です。
なにしろ裏社会モノもだいぶメジャーなジャンルになってきましたからね。
そういうところの設定の作り込みが甘いと、とたんに薄っぺらなマンガになってしまいます。
「ザ・ファブル」とか「平和の国の島崎へ」とか、裏社会モノでリアリティのあるマンガはたくさんありますから。そっちでいいやになってしまいます。
イマイチな点
裏社会モノ、ダークヒーローモノ、復讐劇モノはお腹いっぱい
先ほどちらっとフライングで語ってしまったんですが、もう裏社会、クズ共への復讐は食傷気味を通り越してませんか?僕はもうお腹いっぱいです。
先日始まったばかりの「GGG」も伝説の殺し屋が主人公ですし、アウトロー共が渋滞起こしてますわ
クズ共には無残な死を…といういわゆるのか、いわゆらないのかわかりませんが、いわゆる天誅モノももうお腹いっぱいでして、悪人共が全滅するシーンもなかなかカタルシスを得られない。
どんなに美味しいお茶の葉でも、出涸らしは飲めたもんじゃない。
そういうことです。
奇をてらいすぎてついていけない
ジャンルが食傷気味とは言いましたが、そこはさすがに織り込み済みなんでしょうね。
だからこそ、ヤクザと180度方向性の違う魔法少女要素を取り入れ、オンリーワンの世界観をつくるのが狙いだったのでしょう。
その狙いは悪くはないと思いますが、いかんせん奇をてらいすぎかな。
「ヤクザ×魔法少女!?面白そう!」より、拒否反応のほうが強く出てしまいました。
「あっ、奇をてらったのね」って。
総評
ストーリーはよくできているし、舞台設定もしっかり作り込んでいる印象です。
そしてそれを表現する画力は十分すぎるほど上手い。
それでも、そんなプラス要素を一撃でチャラにしてしまったのが「そのジャンルはもういいよ」というマイナス要素でした。
あと10年、いや5年早く始まっていたら印象はだいぶ違ったかもしれません。
そんなのアンタの好みじゃないか?
相対評価じゃなく、絶対評価をしろよ?
いえいえ、マンガをヒットさせるには、その時代その時代の”時流”を見極めて、うまく世の中の流れに乗るセンスも必要だと思いますよ。
もちろんまだ第1話ですから、ここからガツンと人気作になっていく可能性はありますし、僕としても面白くなってくれたらそれは全然ウェルカムですから。
頑張ってほしいです!
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