ついに文化祭 後夜祭ライブも最後の一曲。
たまき先輩の引退ソングを残すのみとなりました。
これまでとこれからの「ふつうの軽音部」を通してもおそらく大きなターニングポイントとなるであろう、第45話「その舞台を夢見る」の感想です。
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前回の感想はこちら
まずは前日譚から
はとっちにあえて試練を与えたことを少し後悔?しているたまき先輩
はーとぶれいくの初ライブとなった第37話「そのバンドを知る」と同じく、まずは前日譚から幕を開ける第45話。
正直こういう演出は勘弁してほしいですね。確実に泣いちゃうからw
まずは夏帆の家に訪れ、最近の軽音部について話すたまき先輩。
いろいろありましたが、夏帆との友情関係は良好なようです。
そこで、はとっちがボーカルになっての初ライブでボロボロに打ちのめされたことを心配していると打ち明けます。
※はとっちがヤムチャのごとくボロボロに打ちのめされた下りは↓にて解説しています。
はとっちボーカルでの初ライブは十中八九失敗すると思っていて、それでもあえて失敗を経験させたほうがいいとの考えから起こした行動でしたが、結果予想以上に爆死したからか、たまき先輩は申し訳ない気持ちになってしまいました。
たまき先輩といえど、まだ17~18歳の女の子ですからね。
自分が下した判断が本当に正しかったのか迷ったり、後悔したり。そんなこともあります。
そういえば、第20話の時点でのたまき先輩のセリフにご注目ください。
「友達の家行っててさ」とありますね。
その「友達の家」というのが今回の冒頭である夏帆の家ということで、ちゃんと話の整合性が取れていますね~。
クワハリ先生のシナリオ構築の卓越さというものが感じられました。
夏帆を文化祭ライブに誘う勇気は、はとっちがくれていた
夏帆の家にて、文化祭ライブに誘うことがどうしてもできなかったたまき先輩。
その帰り道に偶然、弾き語りに向かうはとっちを発見します。
そこで1曲だけ聞いた曲が、スピッツの「スピカ」でした。
スピッツ「スピカ」についてもこちらでまとめてます↓
ここの演出なんですが、落ち着いて読んでみると、そーとー練られてますよ。
僕改めて読んで震えましたもん。別に会いたくて会いたくてってわけではないのにですよ!
というのも、第20話ではとっちの弾き語り「スピカ」の歌い始めを聴きながらたまき先輩は、ひかり先生のことを思い出していたんですよね。
そこから、ひかり先生とお別れして、続いては高校生活を…つまり今回のたまき過去編のエピソードを回想するたまき先輩。
ちょうどタイミング的にはそのあたりを回想しているときにでしょう、サビに入り、今回の話で出てきたフレーズ「今だけは逃げないで 君をみつめてみよう」に差し掛かったのだと思います。
まさに今、夏帆に対して逃げずに気持ちを伝えよう、と背中を押してくれるフレーズ。
これをきっかけにたまき先輩は、夏帆を文化祭ライブに誘うメッセージを送ることができたのでした。
いやいやいやいや、こんな構成力あるぅ?
第20話時点ではひかり先生との初恋を回想するのにピッタリなミディアムバラード「スピカ」とは粋な選曲だな…と思わせておいて?
今回、その中に実は夏帆に対して勇気を出してみよう!というメッセージが含まれていた?
しかも20話時点ではそのフレーズを伏せておいて、満を持して解禁?
ヤバすぎでしょ…クワハリ先生。
構成もすごいし、毎回毎回何度いってるんだって感じだけど選曲センスがはてしない。
とまぁいろいろ言ったがだ!百聞は一見に如かず!!
第20話はコミックス第2巻に収録!
買わない理由がない!!その目で読まない理由がない!!!
たまき先輩 引退ソングはやっぱり銀杏BOYZ!
たまき先輩が、性的カスタマーズが、3年間の締めくくりに選んだ楽曲はやっぱり銀杏BOYZ。
曲は「エンジェルベイビー」!!
MVは銀杏らしく、ちょっと過激なドラマ仕立て。
楽曲だけじっくり聴きたいなら、こちらの動画のほうが良いです
(どちらも銀杏公式Youtubeチャンネルによりアップされた動画です)
ライブの演出は圧巻の一言。
エンジェルベイビーの歌詞に合わせて、大阪へ引っ越してきたばかりで、なかなか学校に馴染めない日々、そしてひかり先生への初恋と初失恋を思い出す。
「hello my friend 君と僕は 一生の友達さ」
このフレーズは夏帆に向けられた最高の歌詞ですね。
このフレーズのタイミングで同じコマに喜田くんも映っているのは、偶然なんかじゃないはず。
たまきだけでなく、喜田くんも同じくらい、夏帆を想っていた。
そして同じくらいの熱量で、今まさに想いを音楽に乗せ、届けているのだ。
3年間、駆け抜けた思い出をバックに歌うたまき先輩の1枚絵は、ただただ美しい。
この美しさは、辛いこと、悲しいこと、楽しかったこと、嬉しかったこと。
正も負も、酸いも甘いもたくさんの思い出が混ざり合っているからこその美しさでしょう。
まさに歌詞の通り「美しき傷だらけの青春」。すごいシンクロだな…すごい…すごいしか言えねぇ…
もし銀杏BOYZのライブ動画を観てことのない方は、少しでも観てほしい。
僕も銀杏はほとんど名前しか知らなくて、「ふつうの軽音部」に影響されて聴くようになりました。
銀杏BOYZのライブは、彼らのパフォーマンスは、はっきり言って汚い。
ヨダレは垂らすわ、ステージで暴れるわ…
けれどもそういった剝き出しの生きざまが、多くのオーディエンスに刺さったのでしょう。
前述の通り、たまき先輩の3年間は清濁どちらもあったからこそ輝いている。
それはまさに、汚さが美しさを引き立てる銀杏BOYZのパフォーマンスにもシンクロするものがあると僕は感じました。
いや、クワハリ先生の選曲とキャラメイクがマジですげぇ…
もちろん出内テツオ先生の作画もそれを最高に引き出している…
ふつうの軽音部、すげぇ…
すげぇしか出てこねぇ…
たまきからはとっちへ、バトンは確かに渡された
はとっちがくれた勇気がたまき先輩を導き、そして今、たまき先輩がその歌ではとっちの魂を震わせている。この関係性がもう…涙でるわ。
ここで芽生えたはとっちの気持ちも、振り返ってみると本当に丁寧に積み重ねられてきたものなんですよ。ご紹介しますね。
第25話「バンドを結成する」より
軽音部を辞めかけた彩目に、弾き語りを聴きに来てほしいと伝えたはとっちのエピソードです。
そこで弾き語り前に、はとっちと彩目との間でこんなやりとりがありました。
この時は正直僕も、「なにもないんかい!」「まぁ、それこそ「ふつうの軽音部」らしいか…」って思っていたんですね。クワハリ先生の掌の上でね。
第37話「そのバンドを知る」
その後、文化祭ライブではーとぶれいく初披露となった回です。
ここで漠然と、「自分たちの演奏で、観てる人たちをめちゃくちゃ熱狂させることができたらどんな気持ちになるんだろう…」という前向きな感情が芽生えます。
まだここでは、漠然とした感情の芽生え。
そして今回の「その舞台を夢見る」で…
そう、ここまでの段階を経た上で、たまき先輩のラストライブを観て、はとっちの夢はこの瞬間、その漠然とした想いが確実に形あるものになりました。
私 このステージに立ちたい
(中略)
私もたまき先輩みたいに いつかこの舞台で 自分の感情全部さらけ出して
思いっきり大声で歌ってみたい
最初たまき先輩のライブを観たとき、軽音部のノリに引いていたはとっちが、
今度はたまき先輩のようになりたい、と初めて強く思った。
それは、たまき先輩がはとっちにバトンを渡してくれた。
はとっちは、その差し出されたバトンを確かに受け取ったからに他ならないでしょう。
そこへ自然と集まってくる厘、彩目。
皆視線を合わせるも、言葉はなく…
というより、言葉は要らないという雰囲気。
だからこその、今回のサブタイトル…
第45話「その舞台を夢見る」
そして…
エンジェルベイビーを歌い切り、たまき先輩万感のラストライブ、そして軽音部の3年間、完走。
まとめ
いやぁ、第37話に続いて今回も泣いた、泣かされました…
特に、初見よりも、いったん銀杏BOYZの「エンジェルベイビー」を聴いて、この記事を描きながらマンガをじっくり読み直しているときに涙が出ました。
本当に今回の後夜祭エピソードは、過去と現在の練り込まれたシナリオがあって、出内テツオ先生の表現もあって(今回取り上げた画像以外にも本当に唸るコマがたくさんあった!画像転載は最低限にしているつもりですので、泣く泣くカットしましたが)
「ここにしかない どこかへ」で熱狂する先輩たちの後ろで、真顔で見つめるはとっちのコマとか。
最後不敵に笑う厘とかwこいつこの期に及んでまた何か企んでんな~とか、ありましたが!
とにかく圧巻!圧巻!の後夜祭ライブ編、完結!
そしてたまき先輩は引退…
ちなみに来週は休載。
いいんです、正直1週間開けてもらうくらいの余韻は必要です…
いやぁ、満たされた。
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