来見沢善彦の愚行【ジャンププラス新連載レビュー】※ネタバレあり

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ジャンプラ2025年9月度新連載のひとつ、「来見沢善彦の愚行【ジャンププラス新連載レビュー】※ネタバレあり」の忖度なし感想・レビューです!

ネタバレありですので未読の方はお気をつけください。

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来見沢善彦の愚行について

作者ときわ四葩よひら 先生
ジャンルヒューマンドラマ、サスペンス
掲載日土曜

あらすじ

没落作家、禁断の手で新作に挑む――

舞台は昭和の少年漫画界――

かつてヒット作を生み人気漫画家として名を馳せる来見沢は、新作の構想がうまくいかず追い詰められていた。

そんなある日、若き漫画家志望の畑と出会う。

畑の素晴らしい作品を前に、来見沢は無謀な考えを思いつき…

ジャンププラス作品ページより引用

個人的 5段階評価

では発表させていただきます…

ドゥルルルルルルルルル……デデン!!!!!

★★

高評価、星5つです!

よかった点

今どきあまり見ない硬派なマンガ

時代は昭和、主人公はおじさん。
作画もおそらくはあえてアナログにしたのではないでしょうか。

まさに昨今のマンガの流れに逆流するような作品といえます。
いい意味でひと昔前のマンガ。

ぶっちゃけ、どっかのタイミングで突然異世界か現代に転生なりタイムスリップなりすると思っている自分がいましたよ笑
そういう「とにかく読者の意表を突く!ありえない展開にしてSNSでバズる!」という意気込みはいいものの、あまりに突飛すぎて読者がついていけないマンガというのも多いですが、本作はそんなことはなく、ひたすらに堅実。
いや、愚直、無骨という表現が合うかも。

見るからに魂のこもったマンガ

末尾コメントに、「大寒鉄郎の名前を使うために手塚プロに許可を取った」という説明もありましたが、それも含めて作品の熱量がすごい。

昭和初期のマンガで使われていた演出を再現しているシーンもちらほら見受けられ、手塚治虫へのリスペクトと、ハンパな作品にはしないという覚悟が感じられました。

っていうか作者のペンネームがもう全てを物語ってますよね笑
言うまでもなく、トキワ荘から拝借したに違いないでしょう。

主人公:来見沢善彦というキャラクター

作品タイトルに飾るほど、本作の最重要キャラクター、来見沢善彦。
このキャラクターメイキングが実に見事。

  • 基本的に笑顔を絶やさない
  • 元気よく編集者たちに挨拶する
  • 人助けでスーツが汚れることも厭わない
  • キャリアが長くヒット経験もあるのに、自分より若い編集者に気を遣う
  • その編集者に手痛くボツを食らってもキレたりせず、静かに現実を受け入れる

と、序盤で「過去にヒットしたものの今は冴えない、他人に優しいおじさん漫画家」というキャラクターであることを印象付けます。

中盤では「ミッちゃん」と話す際の紳士的な態度であったり、ウソをつくのが下手な誠実さなども見せてきました。

そして、ここまで完璧にキャラ付けを済ませたからこそ、第1話最大の見せ場でもあった「読み書きのできない畑を騙す形で契約書にサインさせてでも、自分の名前でヒット作を生み出す」という禁じ手に走った来見沢の鬼気迫る表情。これに最大限のアクセントが付いたと思います。

やっていることはタイトル通り「愚行」そのものなんですが、それでも嫌いにはなれない、見事な主人公像ではないでしょうか?

イマイチな点

対象年齢が高すぎるかもしれない

作品自体のマイナスポイントではないですが、これが果たして今の若い世代にどう評価されるだろうか?
僕なんかはさすがに作中の時代にはまだ産まれてはいないですが、なんとなくその時代の残り香みたいなものはあったころの世代です。

けど平成中期~後期産まれの人はこの舞台設定をどう評価するか…
主人公もおじさんだし、食わず嫌いされる可能性は高そうです。

これが「スピリッツ」や「モーニング」あたりだったら、読者の年齢層とガッチリかみ合っていたように思いますけど。
ジャンプラでの連載。これが吉と出るか凶と出るか…

とはいえ、万人に受けるマンガなんてものは存在しないですから。
大人にしっかり刺さるマンガであればいいと思います!

総評

とにかく今どき珍しい硬派なストーリー、
悪事を働いているのに憎めない主人公、
洗練された昭和のディテール、
そして手塚治虫への限りないリスペクトと、第1話の印象としてはすごくよかったです。

そしてそして何よりも、シンプルに面白かった。

僕は個人的に「安定と品質の土曜」と名付けているのですが(大人大戦、都市伝説先輩、野球・文明・エイリアン、銀青のプルースト、そしてインディーズ連載の鬼士道)、このラインナップにまたひとつどっしり安定感のあるマンガが加わったようです。

コメント

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