ジャンプラ2026年3月度新連載のひとつ、「打ち切られ漫画家と同人女」の忖度なし感想・レビューです!
ネタバレありですので未読の方はお気をつけください。
打ち切られ漫画家と同人女について
| 作者 | 澄ヒビト 先生 |
| ジャンル | コメディ |
| 掲載日 | 月曜 |
あらすじ
漫画家と同人女のすれ違いコメディ
売れない漫画家・RO傍先生こと行来はついに連載打ち切りに…
失意の中、SNSを開くと、なんと自分の作品に萌えまくってるアカウントが!
行来の作品で同人誌をイベントで頒布すると知って、少しでも自分の作品を好きだと言ってくれる人に会いたいと思い、行来は同人即売会へ足を運ぶのだったが――…!?
SNSトレンド入りの大人気読切が連載化!オタクの生態に迫りつつ、漫画家のリアルをコメディタッチで描く、漫画家(=神)とオタク(=信者)のすれ違いコメディ!!
ジャンププラス作品ページより引用
個人的 5段階評価
では発表させていただきます…
ドゥルルルルルルルルル……デデン!!!!!
★★★★★
星5つです!!
よかった点
腐女子の生態についての解像度が高かった
打ち切りマンガ「ゴブリンキング」の同人作家チリタさん。
彼女のガチ腐女子っぷり、その熱量。ここが個人的には1番の評価ポイントでした。
作者の方、名前的には男性名義ですけど、絵柄や演出、キャラのしぐさや表情の描き方などを見るに、十中八九女性作家だと思うんですよね。
となると作者の澄ヒビト先生ご自身がディープな腐女子なんじゃないかな。
自分自身の体験からチリタというキャラクターを描いている、それくらいの濃度を感じました。
少なくとも想像や他作品の模倣、あるいはその道の人への簡単な取材なんかじゃ、この濃度の腐女子は描けないですよ。
個人的に強くリアリティを感じたのは、オタク特有のマシンガントークは基本ですが、それ以外のところで言うと
- 勝手にキャラの設定を深読みして、勝手に南アフリカを聖地認定する
- それどころか聖地巡礼してしまう
- 私のことは嫌いになってもいいから、原作は嫌いにならないでください
- ※腐女子は正気時にnot腐から冷静な突っ込みを受けると死にます。
このあたりは解像度高すぎて最高でしたね(特に最後の)
名言すぎる「出さなきゃ死ぬ」
打ち切りが決まって、最終回を描くモチベーションを失っていた行来。
そのモチベーションを回復させるためにコミケに行ってチリタさんと対面し、モチベ回復に至ったわけですが。
モチベ回復の決定打になったのは、チリタさんの
「それ(ゴブキンを好きな気持ち)を出さないと死んじゃいません?」の問いでした。
その問いに対して行来は、
「そうですね…… 大好きで……… 出さなきゃ死ぬって思います……」と答え、最終回執筆へと向き合うことになりました。
同人作家ならではの、損得を抜きにした純粋な「好き!」の気持ちが、損得の計算から目を背けるわけにはいかない商業作家を、原点へと立ち返らせることになったわけですよね。
そういう構成もまず美しいですし、同人作家の純粋な作品愛が「出さなきゃ死ぬ」という短い表現に見事に詰まっていると思いました。名言は短ければ短いほど名言だからね!
第2話のほうでも、行来のゴブキンへのわかりみの深さを目の当たりにして(だって原作者だもんね)
「でもあれだけの熱量 どこかで出さないと苦しいと思うし 絶対何か出力してるんじゃないかな…」と言っています。これも「出さなきゃ死ぬ」と言ってることはほぼ同じですよね。
僕自身もこうやってマンガ感想ブログを書いているわけですが、それはなんでかというとやっぱりチリタさんの言う通り「(好きは)出さないと苦しい」というところに通じているんだと思います。
なので個人的には本当に名言だと思うし、刺さりましたね。
総評
売れなかった商業漫画家の苦悩、好きなことを好きなように発信する同人作家、相反するふたりそれぞれの解像度が非常に高かったのがまず1点。
そして同人作家であるがゆえに、(知らないうちに)商業作家に忘れていた漫画家としての原点を思い出させたというドラマティックさ。
その流れを違和感なく運ぶことに成功した「出さなきゃ死ぬ」の名言。
見事に熱量とムダのなさが同居した第1話・第2話だったと思います!!
正直サムネではまったく期待していなかったんですけど!
ヒロインは美人なんだけど、微妙にキャラデザが古い…叶恭弘先生みがあると思っていたんですけど。
いや、いい意味で裏切られました。次回が楽しみです。






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