ジャンプラ2025年5月度新連載のひとつ、「あらばけ!荒吐グングンパーク」の忖度なし感想・レビューです!
ネタバレありですので未読の方はお気をつけください。
あらばけ!荒吐グングンパークについて
作者 | うすた京介 先生 |
ジャンル | ギャグ |
掲載日 | 金曜 |
あらすじ
うすた京介渾身の不思議生物ギャグ
生き物大好きな少年、穴森胃成16歳。
転校初日、森で出会った不思議生物に襲われるも謎の人間嫌い男、荒吐グンゼに助けられる。
その出会いが穴森胃成を怒涛の学園生活へと巻き込んでいく!?
うすた京介、渾身の不思議生物ギャグ開幕ーー!!
ジャンププラス作品ページより引用
「マサルさん」「ジャガー」のうすた京介先生、久しぶりの新連載です。
ジャンプラで言えば「フードファイタータベル」依頼の連載となります。
令和に入って初めての連載なんですね。
もともとうすた先生は僕の中ではヒットメーカーというより、打率2割2分くらいのホームランバッターっていう印象です。
ダメなときはとことんダメだけど、面白いときはマジで神がかってるっていう。
ジャガーなんかも超神回もあれば、まったくクスリとも笑えない回もよくありました。
そんなギャンブル性がうすた先生の特徴かなと思ってますが、果たして今回はホームランか、三振か?
個人的 5段階評価
では発表させていただきます…
ドゥルルルルルルルルル……デデン!!!!!
★☆☆☆☆
残念、星1つでございます
よかった点
さすがにベテランなだけあって絵は綺麗で読みやすい
マサルさんのときと比べると画力はめちゃくちゃ進化してますよね。
ギャグマンガなので画力はさほど重要ではないかもしれないですけど、読みやすいに越したことはないです。
…まぁベテランが絵で褒められるってのもどうなん?とは思いますけどね。
イマイチな点
ギャグがちっともウケなかった
新連載1話目45ページということで、ギャグの弾数も多かったですね。
しかし僕には1発たりともヒットしませんでした。
まぁギャグはどうしたって個人差があるものですから。
「オレは爆笑したぞ!お前のセンスがないんだろ!!」って怒らないでくださいね…
胃成くんのツッコミもいまいちでしたね。
なんか、ボケもツッコミもくどい。
「おショり」「ハダンテ」「マナスティ」「ノ…モッコミンはぺい?」とか、そのへんの造語ボケはくどくて胸やけ起こすかと思いました。
ここまでならまだ、星2で済んでいたんですけど…
主人公・荒吐グンゼがクズ。人としてクズ
中盤で、グンゼがウィルスをばら撒いて、クラスメイトの大半を腹痛で早退させるという普通にテロな行為をしました。
作中のクラスメイトにも「もはや犯罪じゃん…」と言われています。
そして先生の反応から、常習犯らしいことがわかります。
その数ページ後に、そのバイオテロは不思議生物の暴走からクラスメイトを避難させるためだったの?
とフォローが入ったかと思いきや、当のグンゼ本人が「他の奴らは邪魔だったから」と否定します。
はい、つまり人間性的に最低最悪な主人公というわけですね。
これね、僕は別に作品の粗探しをしてるわけではなくて、前作「フードファイタータベル」が短期打ち切りに終わったのもここに理由があると思うんですよ。
「タベル」には天王洲アエルという、イケメンなんだけど残念系のキャラがいました。
この人、性格もよくて普通に好青年なんですけど、なぜか主人公のタベル達からイジられ、軽んじられ、蔑ろにされる。
タチの悪いことに、うすた先生には、それで笑いがとれると思っているフシがある。
やられている方は「いじめ」だけど、やってるほうは「かわいがり」みたいな話はよく聞きますよね。
そういう、やられる方の気持ちをまったくもって置き去りにした典型例でした。
思うにこれ、「ジャガー」のときのハマー(浜渡浩満)を再現しようとして失敗したんですよ。
ハマーはあいつはクソだからいいんです。
蔑ろにされても、ほとんどの場合自業自得、因果応報だから、あっちは笑いになる。
でも天王洲アエルのときはただただ不快でしたね。
普通の青年が、本人は嫌がっているのに、何をしてもいじられる。そんな陰湿な雰囲気。
ちょっと説明が長くなりましたが、うすた先生の悪癖である「主人公による陰湿なイジメ」は健在でした。これ本当に残念でしたね。
なんでもかんでもコンプラコンプラ言うのは、どちらかというと僕もキライなんですけど。
何の罪もない人々が異常者のキ●ガイ行動に巻き込まれるのは、それがたとえ漫画だとしても気持ちのいいものではありません。
総評
うすたワールド全開といえは聞こえはいいが、そのワールドに肝心の読者を引き込めているのか、それとも読者は置き去りにされてるのか。
僕は後者に感じました。
はっきり言うとこれはもう、うすた先生といえど短期打ち切りでもしゃーないと思います
(掲載作品数に限りがあるジャンプ本誌とは違うので、ソッコー突き抜けとはならないでしょうけど)
もひとつはっきり言うと、同じギャグ漫画のチャックび〜んずの足元にも及んでいないです。
チャックのすごいところはひとつひとつのギャグのキレももちろんあるんですが、読者がギャグと取るか不快と取るか、そのギリギリのラインを見極めるバランス感覚だと思います。
び~んずがショースケの部屋に入れてもらえない話なのに、ショースケに対する不快感がまったく起きない。そのヘイトコントロールが抜群に上手い。
そういうところを後輩から学んでみては?って感じですかねー。
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