実在の楽曲が数多く登場する「ふつうの軽音部」。
ただ登場するってだけではなく、その時のシチュエーションであったり、その時のキャラクターにバッチリハマっている楽曲チョイスセンスが見どころでもあります。
ここではコミックス4巻以降に登場した実在の楽曲を、その時のシチュエーションも含めて紹介していきます!
原作者:クワハリ先生の邦ロックの引き出しの多さがよく理解ると思います!!
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前回のまとめ(コミックス1~3巻まで)の登場曲はこちら
#24 ポップしなないで/UFOを呼ぶダンス
場面解説
第35話「文化祭が始まる」より
ついに始まった文化祭ライブ!
トップバッターである、真島るりちゃん率いるるりるり帝国が演った曲。
バンド名からして絶対にゆらゆら帝国をやるのかと思いきや、そこはハズしてきたことに驚きました。
曲解説
ポップしなないでは、ボーカル&キーボード担当のかめがいあやこさんとドラムス&コーラスのかわむらさんの2人組バンド。かなり珍しい構成ですよね。
ちょっとテクノやアニソンの雰囲気がブレンドされた曲調(ちなみにボーカルのかめがいあやこさんは声優としても活動中)、そして「UFOを呼ぶダンス」という曲名も含めて全体的に漂うサブカル的な雰囲気が見事にるりるり帝国にマッチしています!
なんとなく、「るりるり帝国が演りそうな曲」っていうか、妙にしっくりきませんか?
クワハリ先生の選曲センスは痺れますねぇ~
第35話の感想はこちら
#25 Eve/ドラマツルギー
場面解説
第36話「ステージに立つ」より
文化祭ライブ、彼らを目当てにしたお客さんたちが集まって満員御礼の中、protocol.が演奏した一曲。
鷹見が実在の曲をギターで弾くシーンは何度かありましたが、実在の曲を歌うシーンは実はこれが初めてなんですよね。
Eveのボーカルは比較的高音です。鷹見も声は高めなのかな?とか、いろいろ想像できますね。
曲解説
ボカロP、歌い手出身のEve。
アニメ呪術廻戦 第1期オープニング「廻廻奇譚」でご存知の方も多いかと思います。
さて、この「ドラマツルギー」も現時点で1.8億再生数と、ものすごい数字を叩き出している大ヒットソングなんですが、なんとこちらは「ふつうの軽音部」本連載前から鷹見のテーマソングに認定されていたとのこと。
「寂しいとか愛とかわかんない」「僕ら全員演じていたんだ」「ずっと僕は 何者にもなれないで」などなど、どこか人間関係や恋愛感情というものを一歩引いて、俯瞰的に見ている鷹見という人間のテーマソングとしてまさにピッタリなのでは?
ちなみに曲目のドラマツルギー(dramaturgy)とはもともとは演劇の用語で、「どのように物語を構築し、観客に伝えるか」を表す言葉だそうです。
そしてそこから転じて、アーヴィング・ゴッフマンというカナダの社会学者が唱えた「ドラマツルギー理論」というものがあるそうな。
かなり噛み砕いて言うと、人は他人の前では何らかの「役割」を演じ、また別の人の前では別の「役割」を演じる。
それは、その時その時で相手が期待する「自分」を少なからず演じてしまうから。
…みたいなことらしいです。
まだ、本当の鷹見項希という人間の本当の姿は見えない。
今見えているのは「鷹見項希という人間を演じている姿」なのでしょうか。
…深いっすねー(あんまわかってない)
第36話の感想はこちら
#26 ELLEGARDEN/ジターバグ
場面解説
第36話「ステージに立つ」~第37話「そのバンドを知る」より
ついに、ついについについに実現したはーとぶれいくの初ライブ!!
今までの挫折、再起、努力、自信、意地…それらの積み重ねの上でブチかました、はーとぶれいく最初の伝説となりました。
曲解説
満を持してのはーとぶれいくのライブには、満を持してのELLEGARDEN(エルレガーデン)、通称エルレでした。
そういっても過言ではないくらい、邦ロック史において絶対外せないバンドがELLEGARDENです。
いやホントに第37話はもちろんはーとぶれいくが遂にスポットライトを浴びるという意味もあったんですけど、ここで!ここでエルレ!という意味でも鳥肌が立ちましたね。
エルレの特徴といえば、全編英語歌詞の曲も珍しくないということ。
今で言うとONE OK ROCKのような存在と言えばいいかな?
活動休止直前の人気も今のワンオクぐらいすごかったんですよ。
休止前の最後のアルバム「ELEVEN FIRE CRACKERS」はインディーズバンドながらオリコン週間ランキング1位に輝きましたからね。
ただ、この「ジターバグ」は全編日本語歌詞。
本編を読んでもらえば理解る通り、失敗や挫折、回り道を全力で肯定してくれる、勇気が湧いてくる、ストレートに日本語で力をくれる。そんな一曲です。
大爆死から這い合ってきたはとっちにバッチリ解釈一致の一曲です!!
第37話の感想はこちら
第37話はさんざんハードルを上げておいてどうなんだ!?と思っていざ蓋を開けてみたら、棒高跳びかよ!?ってくらい遥か高いところを飛び越えた神回でしたね。僕はガチ泣きしました。
#27 キュウソネコカミ/何も無い休日
場面解説
コミックス第4巻のおまけページより。
とある人物が歌ったこの曲が、とある人物に深く刺さったそうです笑
どんな経緯で登場したかはぜひコミックスを読んで確認してみてください!
曲解説
以前にも本当に「オレでなきゃ見逃しちゃうね」レベルでチラッと登場したキュウソネコカミ。
「何も無い休日」は2枚目のミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」に収録された曲です。
ちなみに、ジャケットイラスト(YouTubeサムネ)は僕も大好きな漫画家の石黒正数先生の描きおろし。
ちなみにちなみに、コミックス第4巻のおまけページで作画の出内テツオ先生が、好きなマンガに「石黒正数先生の作品全般」と答えています。
もしかしたら多くの人が感じているであろう、無駄に休日を過ごしてしまう虚しさ、生きづらさ、鬱っぽさを見事に表現した一曲。この曲に共感する現代人は多そうですね…
日本人、疲れすぎや。みんな休もう。
PR:ここまでの楽曲はコミックス第4巻に収録!
#28 THE BLUE HEARTS/リンダ リンダ
場面解説
第40話「片鱗を示す」より
巽玲羽にあおられて、アカペラで一曲歌うことになったはとっち。
病み上がりなこともあってか、無難にバラードとかでいいのに、アカペラと相性最悪の選曲をしてしまいます笑
曲解説
その昔、日本の若者に熱狂的支持を受けた伝説のパンクロックバンド、THE BLUE HEARTS。
その代表曲のひとつが「リンダ リンダ」。
世代でないという方も曲くらいは知っているのでは?
さすがに僕もリアルタイムでTHE BLUE HEARTSを体感した世代ではないのですが…
「ろくでなしBLUES」や、ロックバンド漫画の金字塔「BECK」にも、THE BLUE HEARTSのフロントマン、甲本ヒロト氏・真島昌利(マーシー)氏をモデルとしたキャラが出てきます。
それくらい社会現象にまでなったバンドですね。
第40話の感想はこちら
#29 SHISHAMO/恋する
場面解説
第41話「輝く日々を想う」~第42話「輝く日々が曇る」より
文化祭後夜祭。3年生の引退ライブでは、新田たまき先輩率いる「性的カスタマーズ」がトリを務めます。
そこで披露したのがこの曲。
また、時はさかのぼってたまき先輩が1年生だったころ、初めてのライブで演奏したのもこの曲でした。
たまき先輩にとっては始まりでもあり、終わりでもある一曲、というわけですね。
曲解説
SHISHAMOは女性3ピースバンド。
「恋する」は、SHISHAMOのファーストアルバム「SHISHAMO」に収録されています。
シングル曲ではなく、かつノンタイアップでありながら非常に人気のある曲で、ライブでの定番曲となっています。ベストアルバム「SHISHAMO BEST」にも収録されているので、興味がある人はベスト盤から入ってみてもいいかもしれません。
で楽曲のほうなんですが、これまた1年生のたまきたちの関係性を見事に表してる楽曲ですね。
夏帆は幼なじみの喜田くんに恋をしているけれども、その喜田くんは親友であるたまきに恋してしまってる。
「君は私が自分のことを好きだなんて一生気がつかないよね」というフレーズがまさに夏帆の叶わない恋心を表しています。
どんだけ邦ロックの造詣が深いのだ、クワハリ先生…
第41話の感想はこちら
#30 mihimaru GT/気分上々
場面解説
第42話「輝く日々が曇る」より
たまき過去編。
初ライブの1曲目でギターの弦を全部切るという「そうはならんやろ」をやらかした山添くん(後の軽音部部長)が残念会(カラオケ)で歌った曲です。
みんな涙を流して笑ってますが、どういう歌いかただったんですかね笑
そもそもこの歌、女性ボーカル曲なので、無理して高音ボイスを出してたのかな?
山添くんの場を和ませる人柄がにじみ出ていて、ちょっと好きな1コマです。
曲解説
00年代~10年代に活動したグループ「mihimaru GT」の最大のヒットソング。
アニメ版「パリピ孔明」のEDテーマ(歌い手の96猫さんがカバー)したことでも記憶に新しいですね。
僕もパリピ孔明はちゃんと最後まで観ましたよ。早く続編を観たいです。
皆でワイワイ盛り上がりたいときには持ってこいな、ノリの良い曲ですね。
第42話の感想はこちら
#31 銀杏BOYZ/夢で逢えたら
場面解説
第42話「輝く日々が曇る」より
たまき過去編にて、残念会(カラオケ)でたまきが歌った曲。
たまきが銀杏BOYZ好きという意外性、そして何よりも天性の歌声を初めて聴いた仲間たちは驚く…
皮肉にもこの一曲が、夏帆に決定的な劣等感を抱かせることとなってしまうのでした。
曲解説
ふつうの軽音部3度目の銀杏ですね。
過去に登場した「あいどんわなだい」、「援助〇際」に比べるとだいぶ毒っ気の薄い曲ですね。
放送禁止用語もないし笑
ちなみにこの曲はアルバム「DOOR」に収録されています。
こんな曲を歌うまい子が歌ったら惚れてまうやろ!
#32 サンボマスター/輝きだして走ってく
場面解説
第43話「輝く日々を走る」より
たまき過去編に登場。
去っていく夏帆をただただ見守ることしかできなかったたまき。
元バンドメンバーにもひがみから誹謗中傷を流されたりして、軽音部に居続ける意味を見失いかけていました。
さらに久しぶりに再会したひかり先生が結婚するというショックもあり、心がキャパオーバーになってしまったたまきは、かつてひかり先生に教えてもらったこの曲を聴きながら涙を流し、走りだすのでした。
たまき過去編の中でも特に印象的な1曲ですね。
曲解説
いつかは出てくるだろうなと思っていましたが、ついに出ましたサンボマスター。
「輝きだして走ってく」は21枚目のシングル曲で、アルバムでは10枚目「ラブ&ピース!マスターピース!」に収録されています。
落ち込んだ”キミ”を、シンプルでストレートな表現で励ます歌詞は実にサンボマスターらしいです。
第43話の感想はこちら
#33 銀杏BOYZ/エンジェルベイビー
場面解説
第45話「その舞台を夢見る」より
たまき先輩、引退ライブでのラストソング。
やっぱりたまき先輩といえば銀杏BOYZ。
性的カスタマーズといえば銀杏BOYZ。
最後も銀杏BOYZで締めました。
はーとぶれいく初ライブと甲乙つけがたいほどの超ウルトラ神回だった第45話ですが、この曲を聴いておくと最高度が8倍で楽しめます。
曲解説
「エンジェルベイビー」は、銀杏BOYZの現時点でのラストアルバムとなっている「ねえみんな大好きだよ」に収録されています。
歌詞の内容は、親友に向けたメッセージ。
「Hello my friend 君と僕は一生の友達さ」
そして、青春時代に別れを告げるような内容も含まれています。
「さようなら 美しき傷だらけの青春に」
どこをどう切り取っても、たまき過去編からラストライブまでのシチュエーションを寸分の狂いなく表しており、まるでこのエピソードのために書き下ろした曲であるかのよう。
込み上げる想いは第45話の感想記事にブチ込んだので、ぜひ読んでみてください。
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