ジャンプラ2025年4月度新連載のひとつ、「大人大戦」の忖度なし感想・レビューです!
ネタバレありですので未読の方はお気をつけください。
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大人大戦について
作者 | かっぴー 先生(原作) 都築 真佐秋(つづき まさあき)先生(作画) |
ジャンル | 社会ドラマ/サスペンス |
掲載日 | 土曜 |
「左ききのエレン」のかっぴー先生の新作ということで、4月新連載のなかでも特にこの作品に期待していた方も多いのでは?
あらすじ
「正しい大人になれ」
父親が残したその言葉を胸に、正しい大人を目指す主人公、浦島 優太郎。
彼はある日、道路のど真ん中でもがいている猫を見つける。
その猫はすでに車に轢かれていたのか、血を流していた。猫を救おうとした優太郎は、トラックに轢かれてしまう。そしてーー
ーー優太郎が病室で目覚めたころには、15年の時が流れていた。
世の中も、彼の知るものから大きく変わっていた。
テクノロジーも、そして、法律もーー
個人的 5段階評価
では発表させていただきます…
ドゥルルルルルルルルル……デデン!!!!!
★★★★★
出ました!!!
星5つでございます!!!
よかった点
SNS依存症な現代社会への痛烈な風刺
SNSというものがすっかり世の中に浸透し、世界はよくも悪くも変わりました。
人々は互いを監視し合い、少しでも出る杭は猛烈に打たれる。
モラルやコンプライアンスを守らなきゃいけない…
その意識自体は正しいことなんですが、それがあまりにも過剰に行き過ぎてしまった、あまりにもクリーンになりすぎた世の中。
今の世の中って、理想的でしょうか?それともなにかおかしいですか?
どちらかといったら、後者でしょう。
皆、心の中では同じことを思っているはず。
思っているはずなのに、なぜか監視社会はどんどん加速していく。
そんな現代社会におけるゆがみを、皆が心の中で抱えている違和感を、痛烈に風刺した作風。
これが実に痛快です。
もちろんこの「大人大戦」のような、国家が相互監視・相互評価を認める世の中、なんてものは存在しない。あくまでもフィクション。
だけど、完全に他人事の世界だとは思えない。
「もしかしたらこの国もいつかは…」なんて思ってしまう。
そんなリアリティある世界観に引き込まれてしまいます。
監視社会の不気味さを見事に表現しきっている画力
原作のかっぴー先生は「左ききのエレン」で連載経験ありですが、今回は原作に専念。
代わりに都築 真佐秋先生が作画を担当されていますが、これがまたさすがの画力。
隣に住むオバチャンが差し入れをもってきたときの魚眼レンズで覗いた1コマとか、
優太郎が監視カメラに目を向けた瞬間の見開きとか、
本作の不気味さ、気持ち悪さをしっかり余すことなく表現していると思います。
あとは猫ちゃんを助けた瞬間のトラックとか、15年後に目覚めた優太郎とか、とにかく1コマドーン!の迫力が素晴らしいですね。
詳細を知りたくなる設定
「大人」とは国家公認資格であり、階級制である。
これが第1話のヒキで明らかになった、本作の設定です。
優太郎は現在のところ六等大人で、等級が上がっていくにつれて得られる権利も増えていく。
昇格の条件は、おそらく得票数によるものでしょう。
次の「五等大人」で得られる権利は選挙権であると明らかになっていますが、これが四等、三等…と上がっていくにつれてどんな権利が与えられるか?とか純粋に気になります。
また、いかにして人々から票を集めるか?
優太郎がいったいここからどうやって、ある意味インフルエンサーのように人々の支持をいかに得ていくかということなんですが、この点においても様々な作戦や駆け引きが展開されていきそうです。
そういった意味では、今のところDEATH NOTEのような頭脳戦・心理戦になっていくのかな?
というワクワク感がありますね。今後が本当に楽しみです。
気になった点
国家公認SNSにふざけたコメント残すのはどうなの?
少し気になった点。
国家公認SNS「ガーデン」に書き込まれたコメントは、まさに現代でいう5ちゃんねるやX(twitter)、ニコニコ動画のノリ。煽ったり、レスバしたり…
そういうコメントを投げてるやつらもまた監視され、評価されているんですよね?
となると、そんなコメント書くやつには票なんか入らず、底辺から上がれない人生なのでは?
人生かかってるのにそんなコメントなんかしますかね?
…と思ったけど、はっきり言って僕らが生きる現実世界も想像をはるかに超えるバカはいっぱいいますからね。
あれだけ回転寿司チェーン店のイタズラが大変な騒ぎになったってのに、まだバカな写真撮ってSNSにアップするやつが出てきてますし。
「ガーデン」にそういう下らない書き込みをしている層も、人生を棄てた自暴自棄野郎か、はたまた救いようのないバカなのか。
ある意味これももまた、リアルな世の姿なのかも。
総評
現代社会の違和感を上手くマンガに落とし込んだ設定、
確かな画力、
これからの展開へのワクワク感、
いずれもハイレベルでまとめてきた第1話だったと思います!
さすが長期連載経験者ですね、本当にプロットがしっかりしてるので安心して読めそうです。
「20世紀少年」で”ともだち”が作り上げた世界のような、歪な正義が受け入れられてしまった世界。
優太郎ははたして、このような世界をブッ壊していく存在になるのか?
それとも、変わってしまった日本の枠組みのなかでのし上がっていくのか?
どちらに転ぶにせよ楽しみです!!
余談
カフェで出会った女性、ミサトさん…
美人で優しいお姉さんですが、自宅はめちゃくちゃ散らかってて冷蔵庫にはヱビスビールがぎっしりなんてキャラじゃないですよね?笑
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