…というタイトルの言葉はコミックス2巻の帯コメントなのですが、まさにそんなキャッチコピーがピッタリハマる「たまき先輩過去編」。
恐らくふつうの軽音部始まって以来最大級にシリアスな展開なんですが…
SNS上などの感想では「はやくはとっちたちの話を進めてほしい!」という声もあるのでしょうか?
X(twitter)でクワハリ先生がそのようなことをうっすら語っておりましたが…
でも僕はこのたまき先輩過去編こそリアルな高校生を描いているし、かなりギャグ寄りだった厘のプランY実行 → 正統派にアツいはーとぶれいく初ライブときて、いろいろな味が楽しめて最高に良いなと思っています!
クワハリ先生の引き出しの多さ、そしてそれを表現しきる出内テツオ先生の絵に感謝。
それでは第43話「輝く日々を走る」の感想です。
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前回の感想はこちら
去りゆく夏帆、止められないたまき
前回、たまきが自分だけに打ち明けてくれた秘密(初恋の相手はひかり先生、すなわち女性に恋をしていたこと)をアウティングしかけるギリギリのところで踏みとどまった夏帆。
しかし結局、たまきへの罪悪感や嫉妬を抱えきれず、夏帆は軽音部を辞めることに。
当然たまきは必死に食い止めますが、夏帆の決断は覆ることなく。
それどころか学校まで辞めてしまうということになりました…
モブ女の妬(ねた)み、僻(ひが)み、嫉(そね)み…
ひとつだけ救いのあることに夏帆自身は、ちゃんとたまきと最後まで向き合って説明してくれました。
- たまきのせいで学校を辞めるわけではないこと
- たまきに嫉妬していたこと
- たまきは学校生活を楽しんでほしいということ
学校を辞めるわけですから、もう金輪際たまきと会わないつもりで、黙って居なくなることだってできるはず。
それなのにちゃんとたまきと向き合って、ありのままの気持ちを伝える夏帆ちゃん。
立派ですよ。こんなことできる人が世の中にどれだけいるか…
そんな夏帆とは対照的に、たまき・夏帆とバンドを組んでいた名もなきモブ女子は容赦なくたまきの誹謗・中傷・ガセネタを吹聴する始末。
やっぱり先週時点で言ってることがおかしいと思ったんだよなぁ…
いわく「たまきが喜田とバンド組みたがってる」だの「だから夏帆が邪魔になっていやがらせしてた」だの。
極めつけは、「あたしらもう部活辞めるしどうでもいいけど」という去り際の一言がTHE・卑怯者。
どうでもいいんなら黙って消えろよ…と言いたいよね。
お前らと夏帆は違うんやぞ!と。
夏帆はたまきに嫉妬心を持ちながらも、必死にボーカルのトレーニングをしていた様子が伺えました。
お前らはなんかしたんか!?ってね。
ま、でも女同士のいざこざって、こういうなんの努力もしてない奴らの声がデカいものなのよね…
しらんけど。
ひかり先生との再会
去りゆく夏帆を止められなかったたまき。
喜田が熱心にバンドに誘いますが、軽音を続ける意味を見失ったたまきはその気になれず。
こんなドン底のときこそ、ひかり先生が救ってくれる!と思ってたら(マジに思ってました)、なんと本当にひかり先生と会うことに。
「それでもひかり先生なら…」
「ひかり先生ならきっと何とかしてくれる…!!」
そんなわけで久しぶりに会ったひかり先生ですが、なんだか印象が違う…
元々キレイな人ではあったんですが、何というか可愛さが増したというか、柔らかい印象。
実はひかり先生、近いうちに結婚式を挙げるとのこと。
それを聞いたたまきは一瞬。プチュンとフリーズ。
これはひかり先生、本当に無警戒な一言だったんでしょうが、それも無理なきこと。
たまきがひかり先生を慕ってくれているのは「尊敬」だったり「憧れ」だったりの気持ちであって、まさかそれが「恋愛感情」だなんて想像することは不可能に近いと思います。
突然の事実を知ったたまき。
たまきは過去に(第20話「面影を重ねる」にて)ひかり先生とお別れするとき、
「私の初恋の人 さよなら」
と密かにたまき先生とのお別れを決意しています。
しかしながらこれは、たまきが大阪に引っ越す=物理的に距離が遠くなることが大きな要因だったのでしょうね。
女性同士の恋が実ることは難しいから諦めよう、ではなく、遠くに離れることになったから諦めよう。と。
ですのでひかり先生と再会してみて、やっぱり先生への気持ちはまだ心のどこかにあったのでしょうね。
そこへ結婚の話がズドーン…
ただでさえ傷心状態のところに不意打ちの失恋を受けたたまき。
精一杯の作り笑顔は見ていてつらいものがあります。
この絶妙な感情を描き切る出内テツオ先生、さすがです。
闇落ちするたまき
ただでさえ夏帆のことでいっぱいいっぱいだったのに、心の支えだったひかり先生との失恋が決定的なものとなり(たまきもひかり先生も何も悪くないんですが…)、たまきの心の器はキャパオーバー。
ひかり先生におすすめしてもらったサンボマスターの「輝きだして走ってく」を聴きながら本当に走っていく…泣きながら。
ここはぜひ、「輝きだして走ってく」を聴いた上で読んでみてほしい!
もしくは少なくとも歌詞を読んでみてほしい!!
こんなに、たまきの今の状況を表した上で、たまきの心を支えるのにピッタリな一曲は他にあるだろうか?いやない(反語)
クワハリ先生のシナリオにピッタリハマる曲をチョイスするセンスは前々からすさまじいものがありましたが、またその才能を発揮してくれました。
これには作画の出内テツオ先生もこの通り↓
いや、でもイヤホンを着けるたまき、そして涙を流しながら走ってくたまきの作画も凄まじいものがありましたよ。
クワハリ先生と出内テツオ先生、どちらかが欠けてもこのエモさは出せない。
ふっ切れたたまき
サンボマスターに励まされたこともあって、ついに喜田とバンドを組む決心をしたたまき。
ここで今週の話は終了。
夏帆が残してくれた言葉「これからは自分のやりたいようにやらなあかんで」「 もっと自己主張せんと」の言葉は、その後に銀杏みたいな攻め攻めの曲ばっかり演る性的カスタマーズを見ていると、たまき先輩の礎になっているのだと理解ります。
それを理解った上で、第2話「新歓ライブを観る」で銀杏BOYZの「あいどんわなだい」を演ったたまき先輩を振り返ると、当時とはまた違った感想になりますね!
やっぱり最初ははとっち目線で見ちゃいますが、今になってようやくたまき先輩目線で見ることができる。
第6話「先輩と仲良くなる」でたまき先輩がはとっちに掛けた言葉も、重みが違ってきます。
ぜひ一度このタイミングで振り返って読んでみることをオススメします!
さいごに
そんなわけで非常に青春の酸いも甘いも詰まったたまき先輩過去編もいよいよクライマックスですね。
さて、現実世界の話をすると、ふつうの軽音部 公式X(twitter)アカウントが始動したようです!
間もなく発売のふつうの軽音部 第4巻の各店舗特典も紹介してくれるみたい!
ナイスぅ~
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